出産祝いを贈るタイミングや贈る相手、シーンによって予算や相場は異なりますね。恥をかかないため、失敗しないためにも、出産祝いを贈る相手やシーンごとの相場について、ギフト売場歴10年以上の経験を持つ筆者が解説していきます。
贈る相手によって異なる出産祝いの相場
まずは少し古いデータになるのですが、株式会社リクルートライフスタイルが2015年に発表した出産祝いの平均購入単価を見てみましょう。
同僚など複数人でまとめて出産祝いを贈る際の相場は1万円弱、それ以外だと7000円~8000円ほどになっているようです。また出産祝いを贈る相手別で見てみると、兄弟姉妹への相場が一番高く1万円ほど、目上の方への出産祝いが8000円ほど、それ以外は6000円~7000円ほどですね。
みなさんはどう感じましたか?ここから見えるのは、どんな相手だとしても7000円以上のものを贈るのが、平均的な出産祝いの相場であるということですね。
でも、本当に7000円以上のものが贈るのが望ましいのでしょうか。次に紹介するのが、ギフト売場で10年以上に渡り出産祝いの現場を見てきた私なりの出産祝いの相場、予算です。
贈る相手 | 相場・予算 |
目上の方 | 1万円~ |
兄弟・姉妹・身内 | 1万円前後 |
友人・同僚 | 3000円~8000円 |
知人 | 5000円 |
部下 | 5000円~1万円 |
上司など目上の方に贈る場合の出産祝いの相場
目上の方にはやはり1万円以上のプレゼントを探している方が圧倒的に多いです。これは筆者が10年以上に渡って関わり続けているギフト売場での経験上、ずっと変わらない相場だと言えます。細かい関係性、例えば直属の上司の方であれば1万円ではなく2万円~3万円程度のプレゼントを探す場合があるなど、多少の幅はありますが、1万円以上のものを贈るというのが目上の方への出産祝いの相場と言って差し支えないと思います。
目上の方への出産祝いの相場を細かく知りたい
勤務先の社長・役員 | 3万円~ |
直属の上司 | 2万円~ |
上司・上長・上役 | 1万円~ |
取引先の社長 | 1万円~ |
取引先の担当者 | 1万円~ |
恩師 | 1万円~ |
先輩 | 1万円~ |
町内会長・PTA会長 | 1万円~ |
目上の方への出産祝いであれば1万円が相場。勤務先の社長、役員の方、直属の上司など近い関係の方に限っては2万円以上と覚えておけば間違いないでしょう。
なぜ取引先の方のほうが勤務先の上司よりも安くなるのか、と疑問に思った方もいらっしゃると思います。これは、過度に高価な贈り物をすることはビジネスマナーに反するという考え方があるからです。高価すぎず、かといって予算も抑えすぎずに、1万円を目安にして贈るようにすれば失礼には当たりません。
また、相場の話からは少し離れてしまいますが、取引先に出産祝いを贈る場合は必ず勤務先の代表者(社長)の名前で贈るようにしましょう。
のしもできる限り簡易・略式のもの(短冊のしなど)は避けて、のし紙に「御出産御祝/○○」などと書いて掛けることがのぞましいでしょう。
出産祝いは不要と言われたら
気遣いは要らないよと言われてやんわり出産祝いを断られることがありますね。また、近しい関係ならわざわざ贈り物を贈らなくてもいいという考え方をする方もいらっしゃいます。ただ、不要と言われても本当に贈らなくてもいいのか悩みますよね。筆者が担当するギフト売場でもそういった相談を受けることがあります。
職場であればまずは周囲の同僚の方と相談しましょう。周りと歩調を合わせて「贈る、贈らない」を決めれば角が立つことはありません。もし、周囲に相談できる方がいない場合は、1000円程度の安価なもので赤ちゃんが使うものというよりはママやパパが使うものを、おめでとうございますの言葉を添えて渡すことをお奨めしています。
これであれば大げさな出産祝いにはならないので、不要だと伝えてきた目上の方の意思にも沿っていますし、それでいて少額ですがプレゼントを渡すことができるので失敗にしくいでしょう。
上司、社長など目上の方への出産祝いのプレゼント
「雲の上のタオル」というキャッチコピーが決して嘘ではない、他にはないやわらかさを実現したタオル生地のおくるみ。国際的にもその品質の高さでブランド力が高まりつつある今治タオルのため、失敗のできない上司への出産祝いにはぴったり。このおくるみに同じ「白雲」のスタイやタオルなどを組み合わせてプレゼントするといいでしょう。
フレンチテイストのベビーアイテムがたくさん。落ち着いたカラーリングの質感の良いアイテムは好みを問わないため、失敗したくない上司への出産祝いにぴったり。
趣味や好みがわからない場合はカタログギフトを贈るのが最も失敗しにくい出産祝いの贈り方と言えます。バーニーズニューヨークのカタログギフトは他では見かけないハイセンスなカタログギフトであるという点、ベビーキッズ以外にも幅広い商品を網羅して掲載している点から、失敗できない上司への出産祝いに最適です。
兄弟、姉妹、親戚などに出産祝いを贈る場合の相場
兄弟・姉妹・近い血縁関係の方に贈る場合は、1万円前後のもの、ただし、どちらかというと、非常に近いご関係にあるのであらかじめ何が欲しいかを確認してそれを優先して買われる方が多い印象です。どんなものが欲しいのかによって予算が変わる、というのが兄弟、姉妹への出産祝いの特長と言えます。
いとこや親戚など直接欲しいものが何かを聞けない場合は迷わず1万円前後で探せば失敗がありません。
また、身内に贈る場合は兄弟一同、親戚一同などと連名でまとめてプレゼントするほうが、受け取る側の「お返し」の負担を抑えることができます。ギフト売場での長い経験でも、兄弟・姉妹からまとめて連名で贈りたい、いとこ全員からまとめて贈りたいというご注文を数多く受けております。可能であれば連名で贈ることを検討したほうが失敗が少ないと言えるでしょう。
兄弟、姉妹、親戚、いとこへの出産祝いのプレゼント
多くの方からたくさんの出産祝いを受け取るパパとママ。ベビー服やおもちゃ、スタイ、おむつケーキなどをもらうことが多いと思いますが、どうしても贈り物はかぶってしまいがち。そんな出産祝いの贈り物だからこそ、かぶってしまっても構わない=何枚あってもうれしいものを贈ると失敗がありません。ブランケットは洗い替えが必要ですしすぐに汚れてしまうものなので、ママがもらってうれしい出産祝いの代表格と言えます。
現金を贈る
味気ない、プレゼントの楽しさがないと思われる方が大勢いらっしゃると思いますが、もらってうれしい出産祝いの中では常に上位に位置するのも現金なんです。現金であれば必要な時に必要な物が買えるので本当に役立ちますね。同僚や先輩・後輩、友人関係ではなかなか現金は贈りにくいと思いますが、兄弟や姉妹、親戚、いとこなどの身内であれば、「このほうが何でも買えて便利だと思うから、現金を包みました」と伝えてお渡ししても差し支えありません。
もし赤ちゃんを預かることができるなら、「少しの間、赤ちゃんの面倒を見るからその間にパパとママでのんびりと食事に行ってきてね」と伝えて渡すことができるのがこういったお食事券。24時間ずっと赤ちゃんと一緒にいるとストレスもたまりますし、心身ともに疲れてしまいます。そんなパパやママのためにリラックスできる時間を作ってあげるのも身内だからこその出産祝いと言えます。
同僚や友人に出産祝いを贈る場合の相場
同僚、友人への出産祝いは幅が広く、儀礼的に出産祝いを贈るケースから親友に贈るケースまで、その関係性によって相場・予算は様々です。しかし、中心的な相場でいえば5000円前後を贈られる方が一般的です。
ただし2017年後半頃から顕著になり始めた傾向として、相場が上がってきています。これまで中心だった5000円台から7000円以上のものを同僚、友人に贈るケースが増えてきています。
一般的には生まれる赤ちゃんの数が減ってきたから一人にかける出産祝いの金額が増えてきていると解釈されているようですが、なぜ相場が上がってきているのかははっきりとわかりません。
もし、周りの友達や同僚に相談できるのであれば、「どんなものを贈る?」「予算どれくらいで考えてる?」などと相談してみるのも大事な方法と言えます。迷うのであれば、5000円より高いものを選んでおいたほうが無難と言えますが、無理に高額なお祝いを贈る必要はありません。5000円以上1万円未満といった幅の広い感覚で気に入ったものを選んで贈りましょう。
一方で、数年ほど前からは「内祝い(お返し)」をあらかじめ辞退するという意味を込めて3000円ほどのものを出産祝いに贈られる方が増えています。ある程度以上親しい間柄であれば、メッセージカードに「お返しはいいからね!」などと添えて3000円~4000円ほどのものを選ぶと受け取る側のお返しの負担を減らすことができますし、現に、そういった出産祝いの贈り方は決して少数派ではありません。少額だと失礼に当たるのではないかと迷うかもしれませんが、近い関係の方に贈るのであればむしろ喜んでもらえることのほうが多いでしょう。
同僚や友人への出産祝いのプレゼント
ペチャットは、ぬいぐるみにつけるボタン型スピーカー。専用アプリを操作することでぬいぐるみを通して子どもとおしゃべりすることができます。出産祝いに選ばれることはほとんどない一方で、もらってうれしい意外性のある出産祝いになるでしょう。
何を贈ればいいか迷ってしまうという方なら何枚あっても困らないガーゼハンカチがおすすめ。お顔を拭いたり口元を拭いたりお手々を拭いたりと、ガーゼハンカチは一日に何枚も使うものです。洗っても洗っても足りなくなるという声をママから聞くこともありますし、ガーゼハンカチであれば贈って失敗することはないでしょう。また保育園や幼稚園に通うようになると必ず必要になるものですから、そういった意味でも、生まれてすぐには使えなくても後から重宝するアイテムと言えるんです。こちらのセットは玉子ケース型の専用ギフトボックスにガーゼハンカチが入っているので、出産祝いの特別感を伝えるのにもぴったりですね。
「音」を見える化するスマートマイク。Listnr本体とアプリを組み合わせて使えば仕事に出ている家族が子どもの発声状況や感情などを文字・アイコンといった形で知ることができ、仕事をしていても家族とつながっていることを感じることができます。もちろん赤ちゃんの様子を遠く離れた実家の両親へ伝えるといった使い方も可能です。自分では買わないけど人からもらうとうれしい、そんなプレゼントの代表格ではないでしょうか。
部下に出産祝いを贈る場合の相場
部下に贈る場合は1万円がひとつの基準ですが、まだお互いに若い場合は5000円前後に抑える傾向があります。相場を気にされないのであれば、部下に対しては1万円を目安にして探しましょう。
また、部下への出産祝いの特長は、部下に直接どんなものが欲しいかを直接たずねるケースが多いことです。ギフト売場でも商品を指名して探しに来られる方がたくさんいらっしゃいます。もし直接たずねることができそうな関係性であれば欲しいものをきいて、本当に欲しいと思っているものをプレゼントされるといいでしょう。
部下の方への出産祝いのプレゼント
はだけない、着る布団がコンセプトのイギリス生まれのスリーパー。赤ちゃんってとにかく布団やブランケット、毛布をはいでしまって体が冷えて風邪をひいてしまいがち。グロバッグならすっぽりと覆ってしまうのでそもそもはぐことができません。お出かけにも持っていきやすく、まさに「使ってみたらすごくありがたい」出産祝いのプレゼントになるでしょう。おじいちゃん、おばあちゃんのお家に置いておけばわざわざベビー布団を用意する必要がありません。
色々なパーツを使ってシアター=舞台でたくさんのごっこ遊びを。2017年のグッドトイ賞を受賞。安い木のおもちゃなら自分でも買えますが、本格派の木のおもちゃはなかなか自分では買えないものです。だからこそ出産祝いでもらうととても喜んでもらえますよ。
意外ともらうことが少ないと言われるのが授乳クッション。母乳育児をされている場合は必須と言ってもいいくらい役立つアイテムですね。ダイニングで授乳したり、寝室で授乳したり子ども部屋で授乳したりと、授乳シーンも様々。かと言ってその度に授乳クッションを持ち運ぶのも大変。だから意外とすでに持っていたとしても喜んでもらえるのが授乳クッションです。
知人、ご近所の方に出産祝いを贈る場合の相場
最後に知人関係ですが、一般的な相場は5000円が目安といえます。これは10年前から変わりません。失敗しないことを優先されるのであれば、好みや趣味を問わないもので5000円前後のものから選べば間違いないでしょう。
最近は5000円前後の、「出産祝い専用カタログギフト」も様々なメーカーから刊行されています。知人関係であれば趣味や好みがわからないことが多いでしょうから、趣味や好みを問わない出産祝い専用のカタログギフトを選ぶのもひとつの方法と言えます。
また、同様の理由から商品券をプレゼントする方も大変多いです。百貨店の商品券や図書券など、買いたい時に買いたいものが買えるので、プレゼントとしては味気なく感じるかもしれませんが、もらってうれしい出産祝いの定番のひとつとも言えますので安心して贈ることができます。
知人、ご近所の方への出産祝いのプレゼント
出産祝いに特化したカタログギフト。ベビー服やベビー用の日用品、おもちゃ、絵本などが掲載されている中で、最も特長的なのが「ぬりえとクーピー」がセットになっているという点。赤ちゃんがクーピーで塗り絵遊びをしてもいいですが、もし、赤ちゃんにお兄ちゃんやお姉ちゃんがいた場合はお兄ちゃんやお姉ちゃんに遊んでもらってもいいですね。出産祝いは赤ちゃんの誕生をお祝いするプレゼントですが、お兄ちゃんやお姉ちゃんは生まれてきた赤ちゃんにばかりプレゼントが届いてやきもちを妬いてしまいます。そんな時に塗り絵とクーピーがあれば、僕にもプレゼントがある、私にもプレゼントがあると喜んでもらえます。
商品選び終わった後は思い出の写真を入れてアルバムとして使うことができる出産祝い専用のカタログギフト。カタログギフトとして、アルバムとしてそれぞれ楽しめるのがうれしいポイントですね。店頭でも安定して売れ続けているカタログギフトです。
イルムスはデンマークのインテリアショップ「イルムスボリフス」をベースに、スカンジナビアモダンをコンセプトとしたライフスタイル専門ショップ。北欧の伸びやかで心地の良い暮らしを演出するアイテムが掲載されたカタログギフト。出産祝い専門のカタログギフトではありませんが、日々の暮らしを楽しむアイテムばかりが掲載されているので、子育てに疲れたパパやママの心をそっと癒してくれるアイテムを見つけてもらえると思います。
出産祝いの相場をまとめると
目上の方への出産祝いであれば1万円が相場。勤務先の社長、役員の方、直属の上司など近い関係の方に限っては2万円以上を目安にするといいでしょう。兄弟や姉妹、親戚、いとこなど身内の方であれば1万円が相場。一般的にはまとめて贈ることが多いので、差し支えがないのなら連名でまとめて贈るほうがお相手の負担を減らすことができます。
友人への出産祝いは3000円~5000円が相場。ただし最近は少しずつ相場が上がってきています。1万円までを目安にして気に入ったプレゼントを選ぶといいでしょう。一方で、仲良しの友達に贈る場合などは「お返しは不要です」という気持ちを伝えて3000円程度に抑える人が増えてきています。新しい出産祝いの贈り方として定着しつつあります。
知人関係の場合は5000円が相場です。趣味や好みが分からない場合はカタログギフトや商品券を贈るのが失敗しないコツです。